◆教学相長◆

2018年から教員生活スタート。日々の気づきや学びの備忘録。

「普通の」幸せの保証

久しぶりに小説?を読んだ。

 

雨の降る日は学校に行かない (集英社文庫)

雨の降る日は学校に行かない (集英社文庫)

  • 作者:相沢 沙呼
  • 発売日: 2017/03/17
  • メディア: 文庫
 

 

学校生活の中で、いろいろな息苦しさを感じている女子中学生たちのお話。

 

6つの物語と、春風ちゃん(春名風花)による解説。

 

自分が先生だったらどう対応するのかな〜

 

なんて考えながら読んでたけど、

 

特に考えさせられたのが、6つ目の物語「雨の降る日は学校に行かない」

 

 

 

人と繋がっていたいけれど、人と繋がるのが苦手な女の子。

 

クラスメイトからのメッセージを既読スルーしてしまったことから、繋がりが崩れ始める。

 

カースト上位の子からはいじめられ、周りもそれに「協調」する。

 

担任は「明るい子を見習え」

 

限界を迎えて学校を飛び出した後、家に保健の先生が来て、本音が飛び出す。

 

その会話の中で、保健の先生が

 

「学校に行かない生き方だってある。それが普通のことなんだ。」

 

て言うんだけど、主人公の女の子は

 

「でもっ……わたしっ、悔しいっ、悔しいよっ……!」

 

 

 

春風ちゃんの解説を読んでドキッとした。

 

「保健室の長谷部先生は、いい人だ。けれど、それでは本当にいじめられている子の気持ちは救えません。」

 

「行きたくないんじゃない。行かないんじゃない。ただ、ただ、みんなと同じように、普通に学校に行きたい。強制的に行けなくされているだけだ。それなのになぜ、いじめている子たちは学校に行けて、それを誰も咎める事もしないで、いじめられた子には『つらかったら学校に来なくてもいいんだよ』なのだろう。」

 

 

 

学校に行けなくされたのに、「来なくてもいいよ」

 

 

 

考えるまでもなく、おかしな話だ。

 

これに気づけていなかった。