読書紹介『「学力」の経済学』
日本ではあまり研究が進んでいなかった、教育経済学;データ(数字)をもとにして、教育の効果について紹介してくれている一冊。
最近なにかと話題の、非認知能力にも言及している。
例えば・・・
①「テストでよい点を取ればご褒美をあげます」(アウトプットにご褒美)
②「本を一冊読んだらご褒美をあげます」(インプットにご褒美)
子どもの学力を上げる効果を持つのは、
なんと②
しかも、
ご褒美が子どもの「一生懸命勉強するのが楽しい」という気持ちを失わせてはいなかった39
という実験結果も出ているらしい。
他にも、
子どもはほめて育てるべきなのか
テレビやゲームをやめさせても学習時間はほとんど増えない
「勉強しなさい」はエネルギーの無駄遣い
など、科学的根拠に基づいた子育ての方法を紹介している。(いずれも第2章)
第3章では、ペリー幼稚園プログラムをもとに、非認知能力に言及している。
非認知能力は、認知能力の形成にも一役買っているだけでなく、将来の年収、学歴や就業形態などの労働市場における成果にも大きく影響することが明らかになってきた86
非認知能力は、「人から学び、獲得するものである」87
ということから考えると、やっぱり『』が必要なんだろうなあ。
あとは、
学力テストの都道府県別順位・・・は学校教育の成果を測るうえではほとんど意味がない117
家庭の資源に格差がある中で、すべての子どもに同じ教育を行えば格差が拡大していくだけ127
学校で平等を重視した教育の影響を受けた人は、他人を思いやり、親切にし合おうという気持ちに「欠ける」大人になってしまうことが明らかになっています133
教員免許は必ずしも教員の質を担保できているわけではありません157
などなど、興味深い話が盛りだくさんだった。